e

第90回全国高等学校野球選手権大会(記念大会)…今年は愛知から2校(東愛知新聞)

開幕まであと2週間、
練習に気合いのはいる時習館選手たち
=豊橋市富本町の時習館グラウンドで

「センバツの成章に続け」―。第90回全国高等学校野球選手権大会の東愛知大会が28日に開幕(組み合わせ抽選会は6/21日)する。今年は90回を記念して愛知大会は東愛知大会(東三河、西三河、知多地区)と西愛知大会(名古屋、尾張地区)に分け、ともに優勝校が甲子園への出場権を手にする。「近くなった甲子園」に選手たちは夢膨らます。
 成章の今春センバツでの活躍は各校に大きな刺激となっている。同じ田原市内の渥美農は各選手とも「成章の活躍がまぶしかった。次は自分たちの番」と高らかに甲子園を狙う。
 東三河で評判が高いのは成章ほか、豊橋中央桜丘渥美農豊川工など。成章は何といっても甲子園で2試合完投した小川投手の存在が大きい。憶せず直球で内角を突き、鋭いスライダーで討ち取る投球術は高校生離れしている。連戦を乗り切る投手陣も西崎、中森を中心に整備され、湿り気味だった打線もこのところ上を向いてきた。
 豊橋中央は攻守のバランスが取れている。白井、松井の投手2本柱はどちらも完投能力があり、打線は破壊力がある。春の東三河大会に続いて先日の全三河大会も制し、いまいちばん勢いに乗っている。
 桜丘はプロ球界の注目のスラッガー、中川選手がカギを握る。打者としては超一流、投手としても一流だが、昨秋以来ひじ痛に悩まされてきた。どこまで故障から復活するか。
 渥美農と豊川工は近年、猛練習で頭角を現してきた。練習量が豊富なだけに連戦にもバテることはなく、勝ち進めば面白い存在だ。そのほか、新監督を迎えて心機一転の豊川、例年になく機動力を使う時習館などにも注目が集まる。
 他地区では昨秋の県大会を制した豊田大谷、投手力のよい大府、選手個々の能力が高い杜若などの評判が高い。
 今年は例年より多い55代表を選ぶことなどで甲子園の本大会は8月2日に開幕。その関係で愛知大会は東、西とも例年よりほぼ2週間早い6月28日に開幕、東愛知大会には東三河22、西三河45、知多17の計84校が参加する。


東愛知大会注目校(中日新聞)

(1)東三河・知多地区

   成   章;投手充実、厚み増す
   豊橋中央;2枚看板の投手武器
   大   府;守り切る野球めざす


 二週間早い開催となる今年の県大会。梅雨の影響で試合延期が多ければ、大会後半の連戦も考えられる。投手陣の層が厚い成章と豊橋中央が東三河勢の双へきと言えそうだ。
 本命は春の選抜大会で甲子園を経験した成章。五月の全三河高校野球ではエースの小川泰弘投手(三年)を温存しながら、中森貴也、河合郁哉両投手(ともに三年)が力投を見せた。ほかに二年の西崎正純投手が初戦で完封劇を演じるなど、明るい材料がそろう。糟谷寛文監督(五七)は「小川抜きでも戦えるという精神的な強さがチームについた」と自信をのぞかせる。
 全三河野球で初優勝を果たした豊橋中央も、エースの白井啓介投手(三年)と四番で右翼手も兼ねる松井啓投手(三年)の二枚看板を擁する。いずれも球威が持ち味の右の本格派。樋口靖晃監督(三六)は「打撃がいいと言われるが、失点を抑えて勝てるチームになった」と話す。
 二校のほかは、夏の大会で二年連続ペスト8の桜丘にも注目。四番エースの中川大志投手(三年)が復調し、長打も期待できる。蒲郡東は、左腕新井浩介投手(三年)を中心に守りが堅い。渥美農、豊川工も打線がいいだけに波に乗れば勝ち上がりそうだ。 知多地区では、強力投手陣を擁し、春の全尾張大会で優勝した大府が抜き出ている。エース大野彰之投手(三年)は右横手投げ。長い腕を生かした、右打者の外へ逃げるスライダーと内に食い込むシンカーが武器だ。
 鋭く落ちるカーブが持ち味の今村隆之投手(三年)、長身を生かした角度のある直球で勝負する石川優志投手(三年)と控え投手も完投能力がある。
 ただ「打線はやや小粒、大量得点は期待できない」と竹前俊宏監督(四六)。状況に応じた打撃ができると竹前監督も信頼を置く四番の松村忠内野手(三年)の前にいかに走者を出すか。足のある一、二番の出塁がカギ。少ない得点を層の厚い投手陣が守り切る野球で甲子園を目指す。
 知多地区ではほかに堅実な守りの東海南、昨年五回戦に進出した東海商、プロ注目の福谷浩司投手を擁する横須賀、全尾張大会ペスト4の半田工なども力がある。

(1)西三河地区

   豊田大谷;バランス取れた攻守
   愛産大三河;完投能力ある3投手
   杜 若;打線充実投手も5人


 第八十回大会の豊田大谷以降、甲子園出場の機会がない西三河地区の参加校にとって、第九十回大会は十年ぶりのチャンス。豊田大谷、愛産大三河、杜若など有力校が、甲子園への切符をかけて東愛知大会制覇を目指す。
 一九九八年夏の全国大会でペスト4に入る快進撃を見せた豊田大谷は、攻守のバランスが取れたチームとなり、十年ぶりの優勝を狙う。
 エース三浦勝志投手(三年)は一四〇`近い速球と制球力が持ち味。さらに、球威のある新美渉(三年)や春の県大会のペスト8の原動力となった二年の二人が控える。佐竹政和監督(六一)は「投手層は昨年から厚くなった」と自信をみせる。
 打線は四番佐々木繁広外野手(二年)を中心に、一から七番まで打率三割を超える打者が並び切れ目がない。
2006年夏、決勝で愛工大名電に破れ、甲子園を逃した愛産大三河。球威抜群のエース鈴木啓史(三年)、制球の良い前田将志(同)、ピンチに強い堀江峻平(二年)の三投手ともに完投能力がある。
 打っては、ただ一人一昨年も出場した西村友也外野手(三年)を中心に、積極的に得点を狙う。「二年前のような力はない」と竹治玄造監督(四七)は謙虚だが、主将の佐野勲内野手(三年)は「最後まで戦い抜いて勝つ」と闘志を燃やす。
 これらを追うのは、「強豪」とされながら過去二十年間で四回、ベスト4の壁に阻まれている杜若。投手陣に頼りがちなチームだったが、今年は打線が充実している。
 パワーと器用さを兼ね備えた四番安藤開生内野手(三年)と、「過去に例がない」と言われる二年生二人の主軸が打線を引っ張る。
 投げては、タイプの違う投手が五人。相手を見ながら組み合わせを考え、連戦に備える。関康行監督(四九)は「総合的に見て、今年はチャンス」と話す。
 他にも、粘り強さに定評のある安城学園や、機動力野球に磨きをかけた豊田西などが続く。シードの刈谷や刈谷工業も力があり、混戦が予想される。


この記念大会をどこがものにするのか?(東愛知新聞)

 今年は第80回に次ぐ2度目の記念大会。東三河勢にとって甲子園出場の「確率」は単純計算でも昨年の184分の1から今年は84分の1ヘ。さらに今年は春センバツで活躍した成章、春季全三河を制した豊橋中央を筆頭に東三河に好チームがそろった。西三河と知多を見回して強いのは豊田大谷、杜若、大府など限られている。1975(昭和50)年の国府以来、33年ぶり夏甲子園に絶好のチャンスだ。

【Aゾーン】新城東、三谷水産
 上半分の山では、シード校の大府の力が抜き出ている。
 面白いのは反対の山にいる新城東。秋季東三河大会では今ひとつ力不足だったが、冬にメキメキと力を付けた。大府に一泡吹かせれば、大会に旋風を巻き起こすことも。
 三谷水産は積極果敢な野球が持ち味。初戦の大府東に勝てば、強豪の大府にぶつかる。ぜひ当たりたい。

【Bゾーン】豊橋工、豊橋商、蒲郡東、桜丘、豊橋西
 シードの刈谷に抜けた力はなく、桜丘、豊田西、横須賀にも準々決勝に進む力があり、大会屈指の激戦区の様相を呈する。
 桜丘は昨夏、中川が投打に活躍、ペスト8入りを果たした。今夏も中川が投打ともに軸。とくに打撃は超高校級で長打力に加え打率も4割を大きく超える。昨夏に痛めた右ひじが治れば優勝も狙える。
 桜丘と同じ山には蒲郡東と豊橋西が入った。蒲郡東の4番立岩は5割に迫る打率で相手の脅威。豊橋西は抜群のチームワークと機動力を誇り、接戦に強い。
 豊橋工は守り中心のチーム。エースの竹本は緩急をつけた投球で抑える。豊橋商は191cmの長身エース、伊藤彰の右腕が冴えればゾーン突破も見えてくる。

【Cゾーン】豊川、福江
 シードの杜若が頭一つ抜けているが強力打線の豊川も杜若に迫る力を持つ。
 豊川は今年も穴のない強力打線。左打者が多く左投手攻略が勝利の鍵。攻守の柱は捕手の北山で、打撃では4割近い打率に加え長打力。守っても強肩、インサイドワークもよい。
 投手は制球力のある下岡を主軸に速球派の小野、球に力のある児玉が控える。守備はセンターラインを中心に鍛えられている。 福江は技巧派間瀬と速球派村瀬の右腕2枚に、左腕吉田も加わり投手陣の総合力は高い。伝統の「黒潮打線」は今年も健在だ。

【Dゾーン】蒲郡、小坂井、時習館
 シードの豊田大谷が総合力に抜き出ており、準々決勝進出の本命。東三河勢には「打倒豊田大谷」の期待がかかる。
 1番手は選手個々の能力が高い時習館。今年は従来のオーソドックスな野球を捨て機動力を前面に出して戦う。上位から下位まで、足攻に次ぐ足攻で1点をもぎ取りに行く。
 時習館と2回戦で当たりそうなのが小坂井。守備に不安を抱えるが、伝統の爆発的な打撃がみられれば面白い。

 蒲郡は主将で4番の請園捕手がチームの中心。しぶとい打線に足を絡めて得点する。

【Eゾーン】豊橋中央、渥美農、黄柳野、豊丘、新城
 豊橋中央が頭一つ抜けている。脅かすのは春季東三河で決勝を戦った渥美農か。
 豊橋中央は、過去最強のチーム力を持ち、投手は抜群の制球力を持つ白井と豪腕の松井啓の2枚看板。ともに2点台前半の防御率を誇る.
 攻撃では下位にも打率3割を越える打者が並ぶ。打線全体にパワーがあり、畳みかける攻撃を得意とする。
 渥美農は活発な打線と安定した投手陣が持ち味。鍛えられた守備力で投攻守のバランスがよく、春の県大会では愛産大三河にも勝っている。「練習量はどこにも負けない」と鈴木監督。波に乗れば走りそうだ。
 貴柳野は1995年の創部以来、公式戦で白星がない。初戦は渥美農。最後まで食い下がりたい。
 豊丘と新城は1回戦で激突。豊丘は180cmの長身石川が攻守の柱、新城は切れ目のない打線を誇る。

【Fゾーン】豊川エ、豊橋南
 豊川工が一歩リードしているが、大きな力の差はない。
 豊川工は抜き出た選手はいないが投攻守ともレベルが高い。エースの伊藤は左腕特有のカーブを武器に打たせて取る。打線も先発7人が打率3割を超すなど切れ目がない。
 豊川工の反対の山にいるのが豊橋南。打線に長打力はないが、相手のスキを突く野球ができる。エースの西郷は、ここ一番に強い。

【Gゾーン】豊橋東
 シードの刈谷工に圧倒的な力はない。豊橋東にもゾーンを抜けるチャンスがある。豊橋東打線の軸は生熊と成田。ともに左で、生熊は打力に加えて足もあり、成田は長打力がある。
 主戦の安井は春先にカットボールなど球種を増やし、投球の幅が広がった。

【Hゾーン】成章、国府
 成章が圧倒的な力で抜き出ている
 小川投手は、勝負強さ、制球力、、スタミナなど全てに置いてパーフェクト。野球センス抜群で打者としても力がある。
 打線はセンバツ6番の倉内が力をつけて4番にどっしりと据わり、打線に1本太い線が通った。
 順当に行くと成章と3回戦で当たるのが国府。今年は小粒なチームだが、同じ甲子園出場経験校の意地がある。対戦すれば球場を沸かせそうだ。


東愛知大会の展望(asahi.com)

豊田大谷・成章などひしめく
 元全日本監督の佐竹政和氏を監督に招いた豊田大谷、選抜大会で甲子園初勝利を飾った成章、好投手2人を擁する大府などがしのぎを削る。
 豊田大谷は右腕三浦、左腕新美ら4人を擁し、投手力は抜群。昨秋以降の公式戦の打率が4割を超える佐々木の長打にも期待が持てる。 成章は選抜で2試合を投げ抜いた小川が柱。左腕中森や2年生の西崎ら控え投手も実力をつけた。選抜1勝が選手の自信につながっている。大府はシンカーが武器の大野、最速144キロを誇る今村の継投などで逃げ切りをねらう。
 杜若豊橋中央安城学園などの私立、豊田西刈谷などの公立も実力が伯仲しており、注目される。

西愛知大会の展望(asahi.com)

中京大中京・享栄に注目投手
 投打のバランスが良い中京大中京と県内屈指の左腕を擁する享栄愛知啓成東邦愛工大名電が追いかける。
 中京大中京は一発がある井藤、春の東海大会で成長した堂林を中心に、下位まで切れ目がない打線が強み。完投能力がある右の細川、左の竹内の二枚看板が試合を作る。享栄は左腕八木の調子がカギ。直球を決め球に公式戦55イニングで73奪三振。打線が援護して13年ぶりの夏を目指す。
 東海大会準優勝の愛知啓成は左腕小出を堅守でもり立てる。投手陣が豊富な東邦、4連覇を狙う愛工大名電という試合巧者の強豪からも目が離せない。公立の一宮津島も好選手がそろい機をうかがう。


東愛知大会の見どころ(Yahoo)

 10年前の豊田大谷以来、夏の出場がない東愛知勢。強豪が西に行き、混戦模様。その中、センバツで1勝を挙げた成章が自信を深めている。大黒柱であるエース・小川にチームのすべてがかかる。この春はシード権のかかった試合で1失点完投。以後、夏を見据えて公式戦での登板がない。センバツでも見せたクレバーな投球で夏を勝ち抜くつもりだ。課題だった2番手も、春の全三河大会で右腕の西崎が頭角を現した。投手を中心に3失点以内で勝つ野球を目指す。秋の覇者・豊田大谷は、日本生命の監督を務めた佐竹政和氏がこの春監督に就任した。俊足巧打の主将・天野を中心にまとまりがあり、10年ぶりの夏を目指す。東愛知勢が最も警戒するのは桜丘のエース・中川の存在。夏をにらんで、春の全三河大会ではベンチにも入らなかった。大府の今村は144キロのストレートが自慢の好投手。悲願の初出場を狙う豊川、春8強の杜若、成章を下した刈谷、ノーシードの愛知産大三河なども侮れない存在だ

西愛知大会の見どころ(Yahoo)

 私学4強を中心に名古屋地区の強豪が集まった西愛知大会。投打にレベルアップが著しい中京大中京を本命に推したい。投手陣は竹内、細川、堂林の3枚看板が健在で、大藤監督も起用法を思案しなければいけないほど。打線も井藤、上戸、矢澤を中心に得点力に長けている。13年ぶりの出場を目指す享栄は全国屈指の左腕・八木が大黒柱。6月に岐阜城北と行った練習試合では同じドラフト候補の伊藤と投げあい、17奪三振で完封した。夏初出場を狙う愛知啓成は春の東海大会準優勝ですっかり自信をつけた。左腕・小出を中心に守り勝つ野球を目指す。3年生右腕・村瀬の復調具合がカギか。52年ぶり史上4校目の4連覇を目指す愛工大名電。ことしはエース高須が復調せず、春は中京大中京に屈辱の5回コールド負けを喫した。しかし昨夏も春に負けてからチームは力をつけ、愛知を勝ち取っただけに、他校も警戒を強めている。東邦弥富愛知なども上位を狙う力がある。


時習館チーム紹介(今春より再び監督;木藤政美、部長;園田孝先生に)


豊橋市民球場での始球式
【時習館の名監督渥美政雄先生】

戦後の昭和20年代、監督をつとめられ
昭和27年、28年と2年連続春の甲子園
出場を果たされた名監督渥美政雄先生
も成章の出身である。
先生は成章中では投手として活躍、
國學院に進まれ卒業後同大学の監督
も勤められた。その後東邦商の監督
時代2度の甲子園出場、続いて滝川中
の監督になられ、大投手別所・大打者
青田を育てられ3度の甲子園出場、
次は一宮中に移られ2度の甲子園出場、
そして戦後時習館に移られ2度の
甲子園出場と、計9回の甲子園出場を
果たされた。
先生は1993年83才で亡くなられたが
ご存命ならば98才。立花さんのような
勇姿を一度見たかったものである。


組み合わせ&結果

東愛知は県立高校「大府」が優勝。

夏は1964、980年に続き28年振り3回目。

春の1981、1993、1994、1995年の4回を加えると計7回目の甲子園。

全国大会は一回戦高岡商に敗退

大府が28年ぶり3回目の切符(毎日新聞)

 ▽大府OBの槙原寛己さん(元巨人、1982年卒) やってくれましたね。夏の甲子園出場は僕が2年の時以来。今年は記念大会で可能性はあると思っていたけれど、頑張ってくれた。竹前監督は2学年上の先輩。甲子園でも校歌を聞かせてほしい。 
 ○…大府が槙原寛己投手(元巨人)在学中に出場して以来、28年ぶりに夏の甲子園出場を決めた。愛知県から夏の甲子園に公立校が出場するのも28年ぶり。決勝の相手は今春のセンバツに21世紀枠で出場し、1勝を挙げた同じ公立校の成章。大府のエース、大野は「今度は自分たちが活躍する番」と意気込み、竹前監督は「成章に勝って夏に出場できることがうれしい」と感激に浸った。
 ◇大府(東愛知):1949年創立の県立校。文武両道がモットー。阪神タイガースの赤星憲広らを輩出。


西愛知は「東邦」が優勝。

夏は6年ぶり13回目。
春の27回と合わせると40回目の出場

全国大会は一回戦北海、二回戦清峰に勝利、三回戦の大阪桐蔭に敗退。


第一回戦;一色高校





                            「時習館と甲子園」メニューへ

inserted by FC2 system