■第84回選手権(平成14年・2002年)の愛知県大会 45年ぶりの“ベスト4”(続)
準々決勝(愛知啓成戦)
回 |
愛知啓成 |
時習館 |
. |
時習館 |
. |
投手 |
時習館 |
原(9回10安打) |
1 |
1 |
0 |
守備 |
氏名 |
打 |
安 |
点 |
愛知啓成 |
水田(9回・10安打) |
2 |
0 |
1 |
5 |
石田 |
5 |
3 |
0 |
長打 |
二塁打 |
池田(時) |
3 |
1 |
2 |
7 |
陶山 |
1 |
0 |
0 |
三塁打 |
蜂野・原(時)、杉山・豊田(愛) |
4 |
0 |
0 |
3 |
高橋 |
4 |
2 |
0 |
本塁打 |
― |
5 |
2 |
1 |
8 |
成田 |
5 |
2 |
2 |
. |
打 |
安 |
点 |
振 |
球 |
犠 |
盗 |
失 |
併 |
残 |
6 |
0 |
0 |
1 |
原 |
2 |
1 |
1 |
時習館 |
30 |
11 |
4 |
9 |
6 |
7 |
0 |
2 |
0 |
11 |
7 |
0 |
0 |
2 |
峰野 |
4 |
1 |
1 |
愛知啓成 |
36 |
10 |
3 |
6 |
1 |
2 |
0 |
0 |
0 |
8 |
8 |
0 |
0 |
9 |
池田 |
5 |
2 |
0 |
. |
9 |
0 |
1 |
4 |
岡崎 |
1 |
0 |
0 |
計 |
4 |
5 |
6 |
鈴木健 |
3 |
0 |
0 |
|
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9回表、時習館2死満塁、打者池田の時、投球がそれ、
3塁走者陶山が生還、決勝点に |
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昭和32年以来、45年振りのベスト4進出を決め、喜ぶ時習館ナイン |
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やっと四番の仕事が、2安打2打点の成田圭君
「やっと四番の仕事ができました」。試合後、時習館の成田圭君(三年)は安堵の表情を浮かべた。
5打数2安打2打点。三回と五回の好機に、左前タイムリを放ち、チームの勝利に貢献した。
これまでの成田君は、安打は出るものの好機に打てず苦しんでいた。流れが変わったのは第一打席。
二死三塁で空振り三振したが、気持ちが吹っ切れたという。
「四番の重圧を感じ、チャンスに力が入りすぎていた。四番目の打者と考え、ボールを思い切りたたくだけに
集中したら結果が出た」
藤城監督は「やっと成田が復調した。これでチームが勢いに乗る」。
成田君は「ごうなったら甲子園を目指して頑張るしかない。次の試合でも打つ」と意気込んでいた。 |
9回2死かち勝ち越し
両校ががっぷり四つに組んだ試合は、時習館が最後に粘り勝ちした。
時習館は2回、峰野の適時三塁打で同点。3回は成田、原の連続適時打で2点、5回には3安打で1点を加えた。同点の9回、3四球を選んで2死満塁とし、相手投手の暴投で三塁走者が生還、決勝点を挙げた。
愛知啓成は1回、杉山の適時三塁打で先制。5回に2死からの4連打で2点を挙げて追いついたが、7回2死から右中間三塁打で出た豊田をかえせず、勝ち越しの好機を逃した。
あきらめずに完投、時習館 原投手
時習館は1957(昭和32)年の第39回大会以来のべスト4に進出した。主将の高橋拓馬君は「ここまで来るとは思っていなかった。信じられない感じ」と話しながらも、笑顔がこぼれた。
7回まで毎回安打で、必ず先頭打者が出塁。安打の走者を犠打で送る手堅い攻めで、愛知啓成のエース水田裕君にプレッシャーをかけ続けた。「水田君の低めのカーブは捨てて、調子が悪く見えたストレートを狙っていった」と藤城義光監督。
とはいえ、4回にはスクイズを外されたり、送りバントが決まらなかったり、嫌な流れになりかけたこともたびたびあった。しかし、先発投手の原桂太君がふんばった。8回裏には愛知啓成に無死の走者を犠打で送られ、1死二塁のピンチを迎えたが、後続を三振と遊ゴロに仕留め、完投勝利。藤城監督は試合後、「今日の勝利は打たれ強くなった原に尽きる」とたたえた。
勝利が決まると、選手たちは思い思いにガッツポーズ。ベンチ裏の控室に戻っても、「やったー」という叫び声が何度もわき上がった。原君は「同点だったけど、まだ.負けていないと思って投げた。勝ててすごいうれしい」と喜んだ。「ベスト8が一番の目標だった」と振り返った高橋主将は明日も思い切ってのびのびやるだけです」と話していた。
全員野球だ!! 7犠打5点、暴投で決勝点
愛知県内では屈指の県立進学校が快進撃だ。45年ぶりの準決勝進出を決めた時習館。9回に暴投から労せずして決勝点を奪い、愛知啓成を5-4で振り切つた。その瞬間、雄たけびを上げるナインを見て藤城義光監督(38)は「みんなよくやってくれています」と目を細めた。
全員野球が勝利を引き寄せた。送りバントを7つも成功させて愛知啓成を揺さぶり、5得点につなげた。投げては原が10安打を浴びながら粘りの投球で踏ん張り、完投勝利だ。 「自信を持って、速球を投げられた。最高」。その笑顔が止まらない。、
文武両道型チーム。自宅学習の時間を考慮してチーム練習は1日約3時間と長くはない。選手は「両立は大変」と口をそろえるが、机に向かう集中力は野球の方にもいい影響を及ぼしている。
「1球への集中はどこにも負けません」と4番・成田は胸を張る。
前身の旧制愛知四中時代の大正5(1916年)年夏に、豊中球場で行われた全国大会に初出場。グラウンドにば、その出場を記念した碑がある。あの年から86年の歳月が過ぎた。高橋主将は「先輩の魂を胸に、甲子園へ突き進みたい」と意気込む。
愛知啓成 9回、痛い暴投
時習館が45年ぶりに準決勝に進んだ。終盤までもつれたが、最終回に1点をもぎ取り、愛知啓成を振り切った。
時習館は先制されたものの二回に峰野の適時三塁打で追いつき、三回には成田、原の連続適時打でいったん勝ち越し。八回を除けば毎回先頭打者を出す押し気味の展開。同点で迎えた九回「3四球を選び二死満塁とし、暴投で三塁走者が生還。決勝点を挙げた。、
愛知啓成は、先発水田が11安打を浴びながら粘りの投球。打線も2点をリードされた5回、二死から4安打を集中。同点とし、九回まで食らいついたが力尽きた。
バントにこだわり「全員の勝利」歓喜爆発
ゲームセットの挨拶を終えた途端、時習館ナインの歓喜が爆発した。「ウオオーッ」。うれしすぎて、言葉にならない雄たけび。県立の進学校が、45年ぶりにつかんだベスト4だ。夢をたぐり寄せた大きなエネルギーが、炎天下のグラウンドをさらに熱くした。
「全員の勝利。でも、信じられません」。主将の高橋は興奮を抑えるように話した。
一進一退の息詰まる攻防だった。初回、勢いに乗る愛知啓成に先制点を許した。三回に成田、原の連続適時打で2点勝ち越したが、五回には二死から4連打を浴びて追いつかれた。六回からは両チーム譲らず、我慢の時が流れた。
チームを支えてきた原が要所で意地を見せた。八回一死二塁のピンチで、蒲地を3球勝負で見逃し三振に仕留めた。「あの1球は気合が入りました」。6月の練習試合で16安打を浴びた愛知啓成打線。藤城監督は「よく踏ん張った」とエースの力投をたたえた。
攻撃では、先頭打者が確実に出塁、バントで走者を送り続けた。
先頭打者になった3度とも安打の石田は「監督に低めの変化球を捨てろと言われ直球に絞った」。走者が出ると、バントにこだわり続けた。
「これがうちの野球です」。自らもバントをl度試みた4番の成田が胸を張った。
県内有数の進学校。練習時間は1日2、3時間に限られている。スター選手はいない。掲げていた目標は、控えめにべスト8。でも選手には「上に行きたいという欲が出てきた」(藤城監督)。
決勝進出となれば、先輩が積み重ねてきた歴史をさらに1年さかのぼり、46年ぶり。「今までやってきたことが試合に生きている。平常心で臨みたい」。高橋主将はきっばりと言った。
笑顔いっぱい、歓喜のスタンド
快進撃を続ける母校・時習館を応援しようと、一畳側スタンドには、在校生や父母、OBら約四百人が陣取り、選手たちに声援を送った。
勝利の瞬間、スタンドは歓喜の渦。べンチに入れなかった部員たちは帽子を投げ、勝利の喜びを表現し、生徒たちは互いにハイタッチ。OBたちもガッツポーズを見せた。
昨年、チームの主将を務めた村松幸彦さん(19)は「後輩たちは本当に輝いている。一人ひとりが努力して、とてもレベルアップした」。
一回戦から全試合応援に来ている同校3年の牧原春奈さんは「いつもドキドキしながら試合を見守っています。ベスト4進出は素晴らしい」と笑顔いっぱいで話していた。
東日新聞社撮影 |
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勝利を信じ応援にかけつけた同級生 |
応援団長のもと応援にも力が入ります |
声援を送り続ける藤目マネージャー |
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気持ちが一つになるスタンド |
ナインに気合を入れる藤城監督 |
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走攻守、好調の石田ホームイン、出迎えるのは原 |
タイムリーを放つ、頼りになる4番成田 |
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決勝点のホームを踏み、ガッツポーズの陶山 |
粘り強く力投する原、サード守備は石田 |
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45年ぶりにベスト4入りを決めて |
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試合後インタビューを受ける
藤城監督 |
勝ってほっとする坂口マネージャー |
明日も頼むぞ成田 |
明日も連投、がんばれ原 |
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←アイシングを当て、明日の東邦戦に備える原 |
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