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                           昭和54年度(1979年)

春季東三リーグ戦 三月二十六日〜 豊橋球場ほか

                               成章   9ー2 時習館
                               豊川   4ー2 時習館
                               時習館  9ー2 豊橋工
                               時習館  8ー3 豊橋商
                               時習館 11ー3 三谷水産



  ■第61回選手権大会(昭和54年・1979年)の愛知県大会 “ベスト8”

第61回全国高校野球選手権大会愛知大会は、一三八校が参加して七月二十一日から前年同様八球場で開催された。
 時習館は、ベストエイトまで快進撃したが、刈谷と雨の中ナイターで対決、1ー0で敗れた。

             
                   対春日井西戦                           対三谷戦

         
          満塁に長打が出て、2者生還           対豊川工戦:延長14回 ヒットで2塁よりホームをつくがアウト

一回戦 不戦勝

二回戦 七月二十三日 豊橋球場

  時習館  110000001−3
  春日井西000000000−0

 松永明久が好投
(朝日)地元時習館が一、二回と九回に挙げた計3点を松永投手の力投で守り抜き、春日井西を完封した。
 時習館は初回、敵失に2犠打をからめ、1安打で先制の1点。二回にも三塁打の松永をスクイズでかえし効率よく加点。その後は毎回走者を出しながら決定打が出なかったが、九回ようやくダメ押しの1点を入れた。
 春日井西は七回に二死満塁、八回にも二シ一、三塁と終チャンスをつくりながら、横手投げ松永投手のコーナーをつくうまい投球にかわされた。

三回戦 七月二十五日 豊橋球場

  三谷水産0000000−0
  時習館  002500X−7
   (七回コールドゲーム)

 時習館が圧勝
(朝日)三河勢同士の対戦、四回に時習館の猛打爆発、大量5点を奪い、六回まで投げた松永明久投手が9三振を奪う好投で、三谷水産を0点に抑え圧勝した。
 時習館は2点リードした四回、高橋、安藤の二塁打など4長短打と3四球で5点を挙げ、勝負を決めた。
 三谷水産はコーナーをつく松永の巧みな投球に手が出ず、四回まで無安打に抑えられた。六回には一死一、三塁のチャンスをつかんだが、後続が凡退、一矢もむくえなかった。

四回戦 七月二十六日 一宮球場

  衣  台00000000−0
  時習館11000131X−7
   (八回コールドゲーム)

 時習館圧倒
(朝日)時習館が松永明久の9三振を奪う好投と好機を長打で生かし完勝。
 時習館は一回、二死一塁で高橋が左中間二塁打、二回には二シ二塁に上田が中声三塁打を放ち1点ずつ。六回に1点追加のあと七回には中野の三塁打などで3点を挙げ大きくリードした。
 衣台は巧みな配球をする松永投手にバットが合わず散発3安打に完封された。

五回戦 七月二十七日 一宮球場

  時習館00000000004001−5
  豊川工00000000004000−4

 東三河決戦14回の死闘、時習館せり勝、豊川工11回の4点実らず
(朝日)時習館・松永明久、豊川工・牧野のいずれも下手投げ技巧派投手が好投、延長戦に入っても点を取れば取り戻すという白熱した好試合を展開したが、時習館が継投した倉橋を打ち崩して競り勝った。
 時習館は十四回、二死後中野が左中間へ二塁打,主将高橋も右翼線を破る二塁打で決勝点を挙げた。無得点のまま迎えた十一回、一死後安藤の左中間三塁打を足場に上田の三遊間、横田の右前安打、それに敵失などで大きく均衡を破った。
 しかし、豊川工もその裏、無死で二つの四球を選んだあと、江頭の中前打、松井と竹内の二塁打、敵失などで同点とし、試合をふり出しに戻した。十三回には無死で右中間二塁打を放ったが江頭がバントで三進、好機を迎えたが、後続が遊飛、三振に倒れたのが惜しまれる。

準々決勝戦 七月二十八日 ナゴヤ球場

 三河対決、刈谷勝つ。刈谷ー時習館は、今対決二度目のナイターとなり、カクテル光線の中、1ー0の投手戦。刈谷が雨の中、九回表の時習館の追撃をかわし逃げ切った。

  刈  谷001000000−1
  時習館000000000−0

時習館 . 刈谷
守備 選手名 打数 安打 打点 三振 四球 守備 選手名 打数 安打 打点 三振 四球
5 園部 孝 4 0 0 0 0 8 稲垣 5 1 0 1 0
3 横田 1 0 0 1 0 7 渡辺 3 1 0 1 1
3 桜井康隆 2 0 0 0 0 6 前田 4 2 1 0 0
6 中野春政 2 1 0 0 2 5 藤井 4 0 0 2 0
2 高橋信彦 3 0 0 1 1 3 本多浩 4 1 0 1 0
1 松永明久 4 1 0 0 0 9 本多泰 4 1 0 0 0
9 安藤正博 3 1 0 1 1 2 加藤 3 0 0 0 0
8 牧野 誠 4 1 0 2 0 1 安藤 3 1 0 2 0
7 上田道夫 4 1 0 0 0 4 杉浦 3 0 0 1 1
4 平松紀昌 4 0 0 0 0 .
31 5 0 5 4 33 7 1 8 2
犠打 1、盗塁 0、残塁 9 犠打 2、盗塁 0、残塁 9
三塁打 本多浩(刈谷) 二塁打 中野(時習館)

 明暗。三回の一点 雨中ナイター時習館も死力
(朝日新聞)古豪・享栄を打ち負かし、自信あふれる刈谷。豊川工と十四回の延長戦に力を出し尽くし、競り勝ってきた時習館。東西三河の進学校同士の対決はナイター試合で一点をめぐる争いとなったが、余裕を持って試合にのぞんだ刈谷が勝利をつかんだ。

 三回表刈谷の攻撃。球場に照明がともった。無死で安藤が二遊間を抜く安打、続いて四死球などで一死満塁の好機を迎えた。前田が右前にテキサス安打。この一撃が勝負を決めた。本塁を踏む安藤に三塁側スタンドの刈谷の応援団がこぶしを突き上げて、「いいぞ!いいぞ!カリヤ」。一瞬、一塁側の時習館応援団が沈黙した。

 刈谷は、そのほか五回まで毎回安打を放ちながら、決定打が出ずダメを押せなかった。後半、連投にもかかわらず、よく立ち直った松永明久(第30〜32回大会で活躍した時3回生 松永整二の子息)の要所を攻める横手投げに抑えられーヒット。からくももぎとった準決勝進出だった。

 一方、四年ぶりにベスト8になった時習館は、前日の十四回の延長戦に疲れが出たのであろうか。安藤の重い速球とカーブを打ちあぐみ、打線が思うように振るわない。六回無死一、二塁の好機も強攻策が裏目に出て逃した。最終回牧野誠上田道夫の連続安打で二死一、二の反撃機も、続く投前ゴロでものに出来なかった

 終盤、激しく降るにわか雨に、ずぶぬれのまま力のかぎり声援を続ける両校の応援振りが印象的だった。

                        

 愛知大会は、中京が 6:3 で名古屋電気を破り、全国大会に出場した。
 第61回選手権に出場した中京は境(鳥取)に 13:6、県岐阜商に 2:1 で勝利。準々決勝で池田(徳島)に 5:2 で敗退。
 優勝は池田を 4:3 で破った簑島(和歌山)。



秋季東三リーグ戦 八月十四日〜 豊橋球場ほか

                             小坂井  3ー1 時習館
                             本郷   11ー5 時習館
                             時習館  10ー7 蒲郡東
                             新城東  8ー1 時習館
                             豊川工  8ー1 時習館
                             時習館  12ー3 豊丘

豊橋市民球場完成

 豊橋市は市内岩田町に、豊橋市民球場建設を計画、昭和五十三年十二月着工、五十五年三月完成。総工費七億六千三百万円。両翼九三メートル、中堅一一五メートル。観覧収容能力は内野八千五百人、外野七千五百人、計一万六千人。公式球場としてオープンした。
 六月一日開場記念試合が行われ、時習館は豊橋南高と対戦8ー0で敗れた。




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