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                   昭和29年度(1954年)

 甲子園出場選手八人を含む新チームは強かった。東三リーグは優勝をした。全三河、県下大会いずれも一回戦で負けたが、力はあった。また県内外の強力チームとの招待試合で力をつけた。

春季東三リーグ戦 三月二十八日 豊橋球場ほか

                               時習館 7Aー5 成章
                               時習館  8ー1 新城
                               時習館 11ー1 豊橋東
                   二次リーグ     時習館  3ー0 新城
                               時習館 14ー1 豊川
                               時習館  8ー3 豊商
                               国府    6ー5 時習館
                    優勝戦
                       豊  商000050000 −5  尾崎、小林ー田中
                       時習館201020001A−6  佐原ー菅沼

全三河大会 豊橋球場 五月二日

                一回戦   時習館000000000−0  佐原・小野田ー菅沼
                        岡  崎02100001A−4  杉浦・河井ー太田

県下大会 鳴海球場 五月十五日

                        一回戦   瑞陵 2ー1 時習館

招待・遠征試合

                       五月十六日 時習館  2ー0 大垣北  (大垣工)
                          〃    時習館  3ー0 大垣工  ( 〃  )
                      六月十四日 時習館  8ー0 浜松工  (本校)
                          〃   浜松北  7ー6 時習館  ( 〃 )
                         二十日 静岡商  4ー0 時習館  (豊橋球場)
                      七月 三日  時習館 2Aー1 愛知大  ( 〃   )
                          十日  時習館  5ー1 興誠    ( 〃   )
                         十一日 時習館  7ー4 三ヶ日
                          〃   時習館  4ー1 掛川西



   ■第36回選手権大会(昭和29年・1954年)の愛知県大会 “ベスト8”

 第36回全国高校野球選手権大会愛知大会は、七月二十一日から、鳴海、豊橋、刈谷、一宮の四球場で開催された。
 時習館は三試合一点も与えず勝ち進んだが、
準々決勝で中京商に完敗してしまった。

一回戦 不戦勝

二回戦 七月二十一日 刈谷球場

  横須賀000000−0
  時習館110134−10
   (六回コールドゲーム)

 
西崎三打席三安打、一つはホームラン
(朝日)時習館の小野田は荒れ気味でボールが多かったが、内野の好守に助けられ、横須賀を抑え切った。横須賀としては二回二死二、三塁、五回一死満塁の好機を徒らに強振して失ったのは痛く、とくに五回寺西の一打は併殺を招いて一瞬にチャンスを失った。
 この試合の立役者は時習館西崎で、一回裏1ー2後右中間に飛ばしたランニング・ホーマーは全軍の士気をふるい立たせ、以後も必ず出塁して一番打者の責任を十分果していた。

三回戦 七月二十三日 一宮球場

  名工芸000000000−0
  時習館03000010A−4

(朝日)時習館は二回中西の単打をきっかけに小柳津、西崎の適時打などで挙げた三点が勝利点となったが、名工芸としては一死満塁の時、小野田の投ゴロ絶好の併殺球を立松が球を持ちすぎて生かしたのは、その後西崎に打たれただけに痛かった。

四回戦 七月二十八日 鳴海球場

  南  山00000−0
  時習館1740A−12
  (5回コールドゲーム)

(朝日)時習館は南山投手陣の無力につけこんで、大量得点を収め五回コールドゲームで快勝した。南山も物おじせずに堂々と戦ったが、力の相違はどうにも仕方がなかった。

準々決勝戦 七月二十九日 鳴海球場

  中京商0303100−7
  時習館0000000−0
  (七回コールドゲーム)

中京商 . 時習館
守備 選手名 打数 安打 失策 守備 選手名 打数 安打 失策
7 岩本 3 1 0 8  西崎若三(主将) 3 1 0
9 榊原 3 2 0 6・1・6 宇田充 3 0 0
5 清水 3 1 0 9・7  佐原博巳 3 0 0
1 中山兄 3 0 0 3  中西克哉 3 0 1
8 日置 3 0 0 2  菅沼光春 3 0 0
3 川島 4 1 0 7 原田豊次 1 0 0
4 中山弟 2 0 1 6・4 大羽義人 2 0 0
6 渡辺 2 1 0 4 小柳津正 1 0 1
2 加藤 2 1 0 9 芳賀一郎 1 1 0
. 1・9・1 小野田 1 0 0
5 磯部雅澄 2 0 2
25 7 1 23 2 4
犠打 1、盗塁 1、四球 9、三振 8 犠打 0、盗塁 0、四球 1、三振 8

中京商猛打、時習館ついに敗退
(朝日新聞)優勝候補中京商に捨て身でぶつかった時習館は力一杯の健闘も空しく、遂に敗退の憂き目を見た。時習館の先発小野田は上り気味て苦心の投球意の如くならず、二回トップ打者日置を歩かせたあと手ごろな球を投じ、川島に右翼を大きく破られて調子をくずし、さらに渡辺の投ゴロ野選と四球が続いて満塁の危機を招いた。
 気負い立った中京商は続く榊原が三塁ベースを抜く殊勲打を飛ばして先制の三点を奪い、四回には加藤の四球をきっかけに榊原、清水が連打するなど鮮やかな速攻で一挙に勝負を決めた。これに気をよくした中京商中山は快調で、左からスピードにのった速球と切れのよいカーブをコーナーに配し、はやる時習館打線を完全に抑えた。被安打二、三振八、三塁を踏ました者なしという小気味よいピッチングを示して勝利を飾った。
 両チームの実力は決して得点差ほどの開きはなく時習館は緊張し過ぎ、堅守を誇る守備陣が乱れて中京商を波にのせてしまった。

 愛知代表は、中京商業が瑞陵高校に十二対一と完勝して全国大会に出場した。(中京商は2年連続出場)
 
第36回選手権に出場した中京商は決勝戦で静岡商を 3:0 で破って優勝



 甲子園出場選手八人を送り出した新チームは、東三リーグ二次まで進んだが、全三河には出場できなかった。

秋季東三リーグ戦 八月二十四日〜 豊橋球場ほか

                             時習館  6Aー0 蒲郡
                             豊橋東   7ー4 時習館
                             時習館   6ー2 田口
                             時習館   4ー2 新城
                             豊川     9ー1  時習館
                             豊橋東   5ー2 時習館
                    二次リーグ  成章    2Aー1 時習館
                             時習館   5ー2 豊商
                             豊川   13Aー0 時習館
                             時習館    3ー2 豊橋工




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