■第15回選手権大会(昭和4年・1929年)の東海大会”準優勝”
東海大会(準優勝) |
. |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
. |
豊橋中 |
愛知一中 |
愛知・三重
予選 |
1回戦 |
豊橋中 |
9 |
0 |
1 |
0 |
2 |
. |
. |
. |
. |
12 |
守備 |
選手名 |
打数 |
安打 |
三振 |
四球 |
犠打 |
守備 |
選手名 |
打数 |
安打 |
三振 |
四球 |
犠打 |
尾張中 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
. |
. |
. |
. |
0 |
6・1・6 |
金子正二 |
4 |
1 |
1 |
0 |
0 |
6 |
小山 |
3 |
0 |
0 |
3 |
0 |
2回戦 |
桑名中 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
. |
. |
. |
. |
1 |
8 |
中林七郎 |
4 |
1 |
0 |
0 |
0 |
4 |
本田 |
5 |
2 |
0 |
1 |
0 |
豊橋中 |
12 |
4 |
2 |
7 |
A |
. |
. |
. |
. |
25 |
9 |
大野正夫 |
4 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
三浦 |
5 |
1 |
1 |
1 |
0 |
3回戦 |
豊橋中 |
1 |
0 |
10 |
0 |
0 |
2 |
1 |
0 |
0 |
14 |
2 |
戸苅正治(主将) |
4 |
1 |
0 |
0 |
0 |
3 |
吉田 |
4 |
1 |
0 |
2 |
0 |
岡崎師範 |
2 |
0 |
2 |
3 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
9 |
1・6・1 |
浦山栄一 |
4 |
2 |
0 |
0 |
0 |
7 |
市岡 |
5 |
0 |
1 |
1 |
1 |
東海大会
(準優勝) |
1回戦 |
豊橋中 |
6 |
0 |
4 |
0 |
6 |
2 |
0 |
1 |
1 |
20 |
4 |
長谷川清 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
8 |
夫馬 |
4 |
3 |
0 |
1 |
0 |
松阪商業 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
7 |
山中伊平 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
9 |
稲田 |
4 |
2 |
0 |
1 |
0 |
準決勝 |
豊橋中 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
3 |
8 |
3 |
神道正甫 |
4 |
1 |
0 |
0 |
0 |
5 |
野中 |
2 |
0 |
1 |
3 |
0 |
大垣商業 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
間瀬繁信 |
4 |
1 |
1 |
0 |
0 |
2 |
中橋 |
5 |
0 |
1 |
0 |
0 |
優勝戦 |
豊橋中 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
計 |
36 |
7 |
3 |
0 |
0 |
計 |
37 |
9 |
4 |
13 |
1 |
愛知一中 |
2 |
6 |
4 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
A |
13 |
第15回選手権に出場した愛知一中は 第1戦は敦賀商業に 7:2 で勝利、 第2戦は鳥取一中に 2:1
で敗退。 優勝は海草中(和歌山)を 3:0 で破った広島商
|
東海大会出場は、 愛知一中・愛知商業・中京商業・豊橋中・ 熱田中・岐阜商業・大垣商業・松坂商業 |
第15回選手権大会
愛知三重大会
今年度は愛知三重大会となり、七月二十四日から三十一日まで鳴海球場で開催された。
豊中は一回戦 尾張中、二回戦 桑名中、三回戦 岡崎師範にいずれも大勝し、東海大会に出場。
東海大会 優勝戦で敗る
東海大会には、愛知一中・愛知商業・中京商業・豊橋中・熱田中・岐阜商業・大垣商業・松阪商業の8校が参加して鳴海球場で挙行された。豊橋中は松坂商業、大垣商業を大差で破り、優勝戦は愛知一中となり、往時の東海球界揺籃時代の再現を思わせて、鳴海球場は4万余の大観衆の期待を前に行われたが、思わぬ大差で敗北し甲子園への夢を絶たれた。
一回戦 松阪坂商業に大勝(八月二日)
豊中604062011−20
松商100000000−1
(新愛知)
一回 豊中二つの敵失三つの四球二本の安打と捕逸に一挙六点を入れて松商軍を撹乱す。松商二死後大野右翼安打、高尾三匍失、梅田三塁の左を抜く絶好の二塁打を放ち大野生還一点を挽回したが続かず。
三回 豊中一死後神道三匍一失、山中遊飛後間瀬二匍失、金子四球に満塁となる時中林第一球を左翼越の本塁打を放ち、一挙四点を獲得。
五回 豊中一死後山中二匍失、間瀬の二越テキサスに山中三進、間瀬二盗する時金子左前安打野手失に二者生還、金子三進し、中林の遊匍に生還、尚二つの敵失浦山の三塁打等に、この回又も六点をあげ勝敗を決す。
六回 豊中一死後金子遊撃右を強襲する本塁打、中林遊撃内野安打、大野二匍に中村封殺されたが大野二盗、戸苅の三塁打に大野生還二点を増す。
八回 豊中間瀬右翼安打に出たが、金子の三匍に封殺、金子二盗中村の三匍の後、大野左中間に三塁打して金子生還、豊中更に一点を増す。
九回 豊中浦山三匍失に二盗、中山の三匍に三進する時、間瀬右翼二塁打に浦山生還、結局二十対一にて豊中大勝す。
準決勝戦 大垣商業に大勝(八月四日)
豊中003000113−8
大垣000000000−0
(新愛知)豊橋中学対大垣商業、一中対愛商の準優勝戦を挙行、観衆は殆ど球場を一周その数三万五千。
午前十時三十分開戦午後一時四十分閉戦球審小笠原塁審田内、水野。
三回 豊中神道四球に出で、間瀬投匍の後捕逸に二進、大野右翼線上に安打し、神道一挙本塁を衝き右翼寄りの送球間一髪神道を刺すと思ひしが神道の塁を陥れる早く捕手又脱球、豊中先づ一点を揚げ、続く中村の三匍は折柄降りしきる雨のためハンブルシ茲に走者一二塁に據る(この時驟雨激しくタイムとなる)五分の後試合続行、金子三直後戸苅右翼安打に満塁、浦山の一打三遊間を破る所となり大野生還依然満塁、捕逸に更に中林還り戸苅亦本塁を衝きしもバックネット前に球を追ひし捕手に刺さる。豊中三点を占める。
七回 豊中大野右翼線上の絶好の三塁打を放ち、中林四球二盗、金子好球二つを看過し三球目にバントして邪匍となり、戸苅二匍に大野生還、浦山遊飛、茲に一点を増して勝利を確実にする。
八回 豊中長谷川四球、山中中飛の後神道四球、間瀬三邪飛後大野の一塁後方の捕球不規則バウンドを為し長谷川生還、中林三振計五点を算ふ。
九回 豊中金子劈頭三遊間安打に出で、戸苅の右中間二塁打に金子三進、浦山の遊匍で金子生還戸苅三進、長谷川四球に出で一二塁間に挟撃される時戸苅巧みに本盗して成り、長谷川又野手失にて出塁、山中捕手ボークに出塁、神道内野飛球、間瀬の三匍失に長谷川三進山中二進、大野の遊匍に野手はこれを三塁に封殺せんとして暴投し却って長谷川を生す。中村二匍。大垣岩井左前安打に出でしも横関左飛、広瀬三飛、吉村左飛に万事休し八対〇にて豊中凱歌を挙ぐ。
優勝戦 一中に大敗(八月五日)
豊中000000001−1
一中26401000A−13
(新愛知)
一回 豊中金子第一球を左飛、中林の三匍野村一塁に悪投し一挙三塁に據り、大野の二匍で本塁を衝いて惜くも刺さる。戸苅の二匍で大野封殺。一中小山中飛、本田の三匍間瀬後逸し金子捕って投げたが間に合はず、三浦の左飛の後吉田の左前安打に続く市岡四球に満塁となるとき、連日の殊勲者夫馬拍手裡に打者線に入り期待にそむかず三遊間にクリーンヒットを放って本田、三浦の生還を見る、稲田二匍。
二回 豊中浦山一邪飛、長谷川遊匍、山中二匍。一中野村四球、中橋の捕邪飛の後小山四球に出塁(豊中このとき浦山遊撃に金子投手となる)本田三浦何れも四球に野村押出され吉田ツーボールのとき豊中軍再び浦山投手となりしが、吉田も遂に四球に三浦押出され、市岡の三匍に本田本塁に封殺、夫馬2ー3の後又も四球に三浦ここに三度目の恩典に浴す、稲田の一撃中前の打となり中堅手又これを失して走者一掃、稲田又二塁に據り打順はここに一巡して再び野村を迎ふ、野村四球中橋の三匍に稲田封殺、ここに一中六点を収めて漸く攻撃の手をゆるめる。
三回 豊中神道一、二間安打に出で間瀬の三振後、金子盛んに邪飛を揚げしが、最後に二塁後方に飛球を呈すれば稲田よく前走してこれを好捕す、中林左前安打し二死ながら豊中走者一、二塁に據り機を迎へたが、当り屋の大野三浦に牛耳られて三振。一中小山四球、本田三遊間安打、前日まで快心の当りを見せなかった三浦はじめて中左間に三塁打して戦友を本塁に招く、市岡の右犠飛に三浦生還、夫馬の一打は遠く左翼プリッヂャーに達する三塁打となり、稲田さそはれたるが如くに右翼線に三塁打を放って夫馬生還、中橋中飛。
四回 豊中戸苅二匍、浦山中前安打に出づるも長谷川の遊匍に封殺、山中一邪飛。一中(豊中投手に金子、遊撃に浦山に三度び交代す)小山四球、本田中飛、三浦捕邪飛、吉田四球に出でしも市岡投匍。
五回 豊中神道一匍、間瀬投匍の後金子三遊間安打したが中林中飛。一中当り屋の夫馬再び中越三塁打に出で、稲田四球、金子頑張って野村、中橋を三振に打ち取ったが、小山の遊匍浦山ハンブルし本田中前安打に夫馬生還、三浦捕邪飛。
六回 豊中大野二匍、戸苅三匍失に出でたが浦山の投直で重殺。一中吉田遊匍の不規則バントに出でたが、市岡三振、夫馬の投直に重殺。
七回 豊中三者凡退。一中稲田二匍、野村投匍、中橋遊撃安打、小山二匍。
八回 豊中間瀬左前安打に出でしも金子三振、中林右飛、大野三邪飛に入らず。一中本田三振、三浦遊匍、吉田三匍失に出でたが市岡三匍。
九回 豊中最後の攻撃に入り戸苅三匍失に出で、浦山左前に続く長谷川一越安打に満塁となり、山中の左前安打に戸苅生還一点を報道ゆ、神道の投匍浦山と共に重殺、間瀬中飛、十三A対一で一中優勝、茲に大正十四年以来四年ぶりに覇権を握り甲子園に出場する事となる。閉戦二時四十分、かくて寺沢大朝支局長より優勝旗を一中三浦主将に授与され、応援団の万歳声裡に引揚げた。
4年ぶりに、東海3県50校の代表となった愛知一中は、全国大会で敦賀商業に勝利したが、2戦目の鳥取一中に敗北した。
昭和5年卒業間近い野球部員
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